バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(映画)
アカデミー賞
リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は落ち目のハリウッド俳優である。かつては『バードマン』という3本のブロックバスター映画で主役のスーパーヒーロー、バードマンを演じ数十億ドルの興行収入を稼ぐほどのスター俳優だったが、それ以降ヒットに恵まれず、20年以上が経過していた。60代となり、家庭でも失敗したリーガンは『かつてバードマンを演じた俳優』として惨めな生活を送っていた。
単なる落ちぶれたアクション俳優ではなく、アーティストとしての自分に存在意義を見いだそうと自暴自棄になったリーガンは、ブロードウェイ進出という無謀な決断をする。
かつて俳優になることを決意したきっかけでもあるレイモンド・カーヴァーの短編小説『愛について語るときに我々の語ること』を舞台向けに脚色し、自ら演出と主演を務めることにしたのだ。
プロダクションは親友の弁護士のジェイクが担当し、共演者にはリーガンの恋人であるローラ、初めてブロードウェイの劇に出演するレスリーが選ばれた。また、自分の娘で、薬物依存症から回復したばかりのサムをアシスタントとして加え、本公演前のプレビュー公演は目前にせまっていた。
しかし、舞台制作を通して自身の抱える根深い問題と直面することになったリーガンは、いつしか今の自分を嘲る心の声に悩まされるようになる。
リハーサルの最中、1人の俳優が怪我で降板すると、その代役として、ブロードウェイで活躍するマイクが選ばれる。俳優として卓越した才能を見せながらも、身勝手極まりないマイクの言動に振り回され、プレビュー公演は散々な結果に終わる。また、公演の成功の鍵を握る批評家からも「俳優ではなく単なる有名人」と面と向かってこき下ろされ、本公演の酷評を宣告される。
そして本公演が始まる。
投稿日:2015年10月19日 カテゴリー:映画評論, 未分類